こんにちは、早くも2回目の登場となってしまいました。M2 基幹理工学研究科 情報理工・通信専攻の高峰悠です。本来担当する予定だった部員が「今週のアルペン語りは、早稲田祭準備のため休載します(嘘)」などと.....言っておりましが、休載するのはさすがにと思っての臨時登場となります。
ちなみに早稲田祭は11/4,11/5に高田馬場、早稲田、西早稲田あたりで開催されています。ライバルクラブその1、早稲田大学スキー同好会(W.S.S.)はブース出店しているらしいので、ぜひ見にいってみてください。(うちは無いです。出店抽選に外れました。😭)
早稲田大学スキー同好会W.S.S. (@WSS_info) / X
今回のテーマは板と斜面と反作用についての話となります。またまた気を楽に、お酒のつまみとして聞いてみてください。あくまで考察なのでこんな意見もあるんだぐらいでお願いします。
スラロームでは一瞬の短いターンが求められ、ターンの構成位置が大事です。高校物理に力の反作用や、力の成分分解というものがあります。この理論を参考にしアルペンスキーのターンごとの力成分について考えていきたいと思います。その上でターン構成はどうすべきかについて考察を行います。
以下は、陸上競技での例となります。簡単に説明すると足で地面を蹴り飛ばすと(赤矢印)、反作用として地面から対応する力(青矢印)を受けます。この反作用は成分分解すると、鉛直成分(黄矢印)と水平成分に(緑矢印)分解することができます。力は一定の場合、地面を斜めに蹴ると、蹴る角度により水平への力は変わってきます。陸上競技の場合はこの水平成分(緑矢印)を大きくしたいという理論がありますね。
スキーでも、陸上競技のように雪面に力を与え、雪面から反作用をもらいます。以下は、板で雪面を削り止まるシチュエーションの概要図です。実際のレースでは地面が掘れていたりするので、雪面を削らずに掘れに合わせるような滑りをすることもあります。その場合でも板に対する水平方向に反作用が働きます。
この雪面からもらう力を成分分解するとこのように分解できます。鉛直成分(黄矢印)は今回はあまり考えず、雪面に水平に働く力について考えていきます。
ターンごとにこの反作用(緑矢印)の力は落下速度を上げること、下げることに直結します。これをターンごとに考えていきます。
・ターン前半
ターン前半では斜面に作用した力が反作用として落下方向に力を及ぼすことがわかります。
・ターン中盤
ターン中盤では左右移動に力がそのまま効きます。
・ターン後半
一方、ターン後半では山方向に力を及ぼしてしまいます。落下競技のアルペンスキーでは減速の要素となってしまいます。
SL競技では、特にこのターン後半の減速要素を抑制していくことが求められます。ターンの中盤、マキシマムでしっかり板を撓まし前半で方向付けを行なっていく必要があります。よくいう自転車で曲がる前に減速して、カーブする理論と少し似ているかもしてません。曲がりきれず減速するのではなく、曲がる前に減速(ターン構成)を行うべきなのです。
山方向、ターン前半(赤範囲)で曲がりきることは技術的にはより難しいです。アルペンスキー始めたての人たちはターン後半(赤範囲)で曲がりを構成し、その分山方向への反作用を受けスピードは抑えられてしまいます。技術力をつけカービングターンを理解し、板を撓ませリリースする技術も体得し前半で作ることができると世界が変わります。この変化はハンターハンターでいうところの念の習得、ワンピースでいうところの覇気の習得といったところだと思います。
Fisレースでターン前半の作りを見ていくと色々発見があって面白いと思います。雪面からの雪の舞い方なども、見応えのあるワンシーンですよ。
スラロームのやる気に溢れる方、若月隼太さんのスラロームの意識が非常に参考になります。10分程度の動画となっています。ちなみに世代的には若月さんは1998-1999の代、自分は1999-2000の代で1個差でした。自分の中学時代の実力があまちゃんで、全国とかで被ってないのが悲しいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。また来週!【終】