早稲田大学シュプリンゲンスキークラブ公式ブログ

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スポーツ認知神経科学特論:スキー基礎練習についての走り書き🎿

お世話になっております。M2の高峰です。

私事で恐縮ですが無事に就職活動が終わり、来年からは情報系のエンジニアになります。

 

今回はいつものブログといったものではありません。春学期にスポ科の講義を一つ履修していまして、その時に書いたレポートを残すものとなります。個人的な考察であり、結構適当に書いているので(特に後半)あしからず。

 

アルペンスキーの基礎トレーニングにランダム練習を取り込む効果

 

  1. アルペンスキーとは
  2. 近年のトレーニング傾向
  3. 求められる基礎トレーニン
  4. ブロック練習とランダム練習について
  5. レーニングメニュー

 

  1. アルペンスキーとは

アルペンスキーとは斜面に設置してある旗門を決められた通りに通過し滑り降りるスポーツである。滑り降りるまでのタイムをミリ秒単位で計測し、ゴールするまでの時間を競い合う個人競技である。

雪上のF1と呼ばれ、他のスポーツにはない魅力がある一方で、初学者からすると難易度が高いとされる。運動レベルとしては、瞬間的な判断が求められる全身運動であり、スピードが乗った規制環境で限界に挑戦するようなスポーツである。

 

  1. 近年のトレーニング傾向

アルペンスキーの上達を議論する前に、アルペンスキーの上手さの定義を行う必要がある。競技での勝利基準はゴールまでのタイムのみであるため、アルペンスキーの上手さとはどれだけ速くゴールできたかということに直結する。

速くゴールするための物理的な要素として、挙げられるものは大きく4種類である。

・初速

 スタートしてから最高速度にいかにして速く達するか 

【修正】加速は軽い方が早い。最高速度は重い方が早い。筋肉があって体積が小さくて重いのが一番良い。のか?

・移動距離

 規制されたコースを最短距離で滑り降りた方が速い

・抵抗の少なさ

 滑り降りる際の斜面からの抵抗や(雪煙・板のずれ)、空気抵抗を受けない方が良い

・板の性能

 板を撓ませることや、撓みのリリースを利用した加速

 

これらの物理的な4要素を満たすために、技量として求められるのは大きく3つである。

 

・板を自由に動かすスキル

 規制された環境で板を自由に動かすことで自由なライン取りを行いたい

・板を撓ませてリリースするスキル

 板を従わせるのではなく、板の性能に頼る滑りを行いたい

・全ての物理的な条件をみたす高精度高速度のライン取り

 板の性能を最大限発揮するライン取り/自分の技量/コースの荒れ/その場でのポジショニング/抵抗の少なさ/

 

基礎練習として、学んでいくのは特に板を撓ませてリリースするスキルの部分である。高精度高速度のライン取りはどちらかというと、座学や感覚的に学ぶことが多い。また、板を自由に動かすスキルはフリーの遊びなどで学ぶことが基本である。

 

レーニング傾向として、アルペンスキーの初心者は基礎練習のフリートレーニングを最低でも1週間多くて2週間挟み競技のゲートに入る。また、アルペンスキーの上級者であっても1週間はフリーの練習をしてからゲートのトレーニングに入る。制限のない状況でいろいろな自由な滑りをして、制限状況に入る。またこれらの基礎練習はシーズンの初めで完結することが多い。

 

  1. 実際に求められるトレーニン

実際に求められるトレーニングとして、片足滑り、プロペラ、スライド、ファーレンなどの基本練習が行われる。

 

  1. ブロック練習とランダム練習について

ブロック練習として毎日同じメニューを行い、シーズン中に調子を仕上げることが多い。以下が自分の練習例である。

 

1日目:ファーレンの練習

2日目:片足滑りの練習

3日目:重心移動の練習(プロペラ)

……

7日目以降:ゲートトレーニン

 

 しかしながら、ランダム練習のほうが体での覚え込みが良いという研究結果が出ている。よって以下のようにトレーニングするほうが良いと今回の講義を受けると考えられる。

 

1日目:ランダム多種目

2日目:ランダム多種目

……

7日目以降:ランダム複数種目+ゲートトレーニン

 

  1. レーニングメニュー

1日に行うべきトレーニング下にまとめる。つまり、ランダム複数種目についてまとめ、日々のゲートトレーニング前の練習リストをまとめる。約2本のフリーをゲートに出る前に皆挟むが、そのタイミングで行うべき種目は以下となる。

 

・片足滑り(外足に乗りつつ、板を撓ませる基本練習)

・ボーゲン(ハの字にして、雪面抵抗を最大限生み出す練習)プルークて言ったりもする

・“し”の字滑り(板でのフルカービングの感覚を覚える練習)シーズン初めに時々やる

・横滑り(板をずらしながら角付けをする練習)

 

これらの種目を順番ではなくランダムに行う必要がある。実際に今シーズンのトレーニングではランダムに挟み練習の精度、体への覚え込みを増やしていきたい。

 

参考文献

  1. 意図的,偶発的学習条件が運動学習の保持・転移に及ぼす影響

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/29/2/29_253/_pdf

  1. 第 5 章 - 4 スキルの獲得とその獲得過程

日本スポーツ協会

https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/ikusei/doc/k3_41.pdf

 

 

【追記】最後に

アルペンスキーを大学から始める人は、こういった基礎練を上級生やコーチなどにみてもらうことで、格段に上達のスピードが上がります。経験者も基礎を蔑ろにせずにやっていきたいところですね。 今年の目標は岩岳高速系、個人優勝ですね。それに向け例年はサボっていたオフトレやジムトレを増やしつつあります。秋はもっと気合を入れたいところですね。男子総合・三連覇貢献してきますよ! 🏆 🏆 ❓

 

高峰