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『週刊アルペン語り』第二十九回 0.01秒の先へ

どうも、「0.01秒の男」こと2年の渡辺です!

時が流れるのも早いもので、もう3月もくれですね。桜の咲き誇るこの季節、皆さんはどうお過ごしでしょうか?シュプからは今年5名の先輩たちが卒業されました。とても悲しいですね。まるで一つの時代が終わったかのようです。
ただ、もう4月からは新歓が始まるので前に進まなければなりません。シュプの新たな時代の始まりを、幹部として作っていけたらなと思っております。

私事にはなりますが、髪の毛と眉毛が生えてきました。東京に帰ってから一番の心配事でありましたが、周りの方々が僕の見た目に順応するという形でなんとか威厳を保つことができています。坊主と半分の眉毛に少しばかり愛着が湧いていたので、なんだか伸びてくることへの寂しさを感じております。

 

さて、先日の第51回全国学岩岳スキー大会技術系種目を終え、僕のシーズンは終了しました。

 

僕のリザルトについて書かせていただくと

GS 1st DF

SL 1本目121位(クオリファイならず)

 

SLに関しては120位カットでクオリファイまで0.01秒及びませんでした。そんなこんなで編集部の上司からは「0.01秒及ばなかった理由について」を頼まれ、また女子SLを担当して頂いた冬芽さんの代打ということもあり今回アルペン語りを書かせて頂きます。東京に戻ってまだ日は浅くスキーの動画見たりとのんびりしている中、溜まっていたシュプブログを読んでいたらなんだか執筆者の熱い想いに打たれていました。そこで今回は僕が入部してからここまで2年分の思いを込めた熱い記事を書きました!明日死んでもこれだけは書き残したい!そんくらいの気持ちで書きました笑

はじめに、0.01秒を縮めるポイントを自分なりに考えたので列挙していきます〜

 

・スタート

・ライン取り

・緩斜の攻め

(・光電管の位置確認)

 

・スタート

僕はものすごくスタートが苦手です。先輩にはスタートとタイムがあっていないといわれます。壊滅的です。下の写真は早慶戦での一コマですが、ものすんごくスケーティングがぎこちないです。一方こちらの二枚の写真は師匠とミネミネさんのスタート直後の様子です。僕との違いは一目瞭然ですね。二人はそれぞれタイプは違えど明らかに漕ぎとスケーティングの躍動感が違います。上半身の漕ぎと下半身のスケーティングの連動性をもっと研究するべきですね。あと、スタート直後に漕いだ時のスピードに慣れることですかね。ここでもう0.1秒以上差がついてそう。

斜め後ろへの蹴りだしが弱く前方方向への推進力に劣る

背筋から漕いでいるミネミネに比べて腕しか使っていないため力強さに劣る


・ライン取り

次に着目する点はライン取りです。ライン取りといっても、普通のアルペンスキーのSLではなく、岩岳ロームのライン取りですね。こればかしはなかなか練習で対応できるものではありません。練習ですら作ることのできないバーンってなんだ。ライン取りに関しては今の実力的にはベストだったのではないでしょうか。前日に先輩(どぅさん、ひろきさん)からもらった、動画を参考にラインを考えました。ポイントは、ポールに触れない、バンクに乗っていくことだと思います。特に急斜は掘れているので無理にポールに叩きに行くと内倒したり、ターン遅れたりとかえってロスになることが多くなると思います。ラインに関して改善するとすれば、緩斜の入りやゲートの出口などでしょう。

 

・緩斜の攻め

スタート直後と急斜終わりはバンクもあまりなく、比較的自分の滑りたいように滑れます。自分の現状の実力であれば、ここが最もタイムを縮められた場所だったと思います。最後の緩斜であと2,3本早くからポールを叩けていたらタイムをもっと縮められました。出走前にバーン状況の情報をもとにより細かく攻められる場所を頭に入れておく、滑ってる中で、バーンに合わせた瞬時の対応力を養うなど、練習のときからバーン状況をよく見て、自分がどのくらい滑れるのかをしっかり把握しておくことが課題解決につながると思います。

もっとポールの近くを滑れたらタイムが上がりそう

・光電管の位置

最後に光電管の位置について話したいと思います。これは、もっと技術の高い選手が最後のあがきとして考えるようなことだと思いますがこれで本当に0.01秒変わると思います。

練習からタイム計測をするチームは多くあると思いますが、その時からすでに手が届いていないことがあります。光電管の高さをインスペクションの時から注意して把握することで、手で最後しっかり切るようにした方がいいでしょう。この話は僕の好きなスキー系Youtuber①小林晋之介さんのラジオチャンネルの方でも少しだけ取り上げられていました。(https://youtu.be/F-uM7qTHbhc?si=kZefU0HaoHFFY_SO)(9分50秒くらい)

手よりも足の方が先にゴール切ってる??

 

少し自分の話をさせていただくと、今年はとにかくお金がなかった!!

働いても働いてもお金は消えていく一方。10月の時点で貯金残高は5桁ギリギリ!

貯金もなく、また兄がクロカンをやっており学生時代はほとんどを自分で稼いだバイト代で賄っていたため、自然と自分も自分の稼いだお金で賄わなければならなかったのでほんとにピンチでした。

 

いやあ今年はシーズン始まる前から色々ありました🙂

シーズン券払うのに、送り先の住所間違えて早割り期限に間に合わなかったり、北海道合宿の行きの飛行機乗り遅れて、搭乗券追加購入したり、などなど、、

 

そんなこんなで今年は全然滑れないかもって思いながらスタートしたシーズンでしたね。

 

そんな中、お世話になっているたけしチームの宿で居候をお願いして働かせてもらえたため、結果としては去年に比べかなり滑走日数を稼ぐことが出来ました。

 

終わってみればこんなに滑れたのは奇跡だったのかも!

 

シーズンを通して上手くなりたい、速くなりたいという漠然とした気持ちがありましたが、自分の中でどこか悶々とした気持ちがありました。何が目標の核にあるのか?シーズンアウトした今、改めて振り返ると僕が今年どうしたかったのかがわかりました。僕が今シーズン目指していたものは「脱未経験者」です。順を追って説明します。

そもそも、我がシュプリンゲンスキークラブは今年の岩岳を終え男子総合3連覇、女子は準優勝というサークル規模で言えば「日本一強いサークル」であります。おそらく、大学始めの学生を受け入れてくれるアルペンチームでこれ以上強いチームはないでしょう。

 

僕が入部した時は、前年に優勝しており単純に日本一強いサークルっていう理由で入部しました。

 

シュプリンゲン、特に男子チームで見てみればAチームは経験者はもちろんのこと、インハイ、関東出場、FISレーサーとサークルでこんなにもメンツが揃うのかという顔ぶれ。毎年先輩方が卒業していきますが、速い選手保存則が成り立ち、コンスタントに経験者や高い技術を持った選手が入ってきます。ざっとシュプリンゲンはこんなチームです。

 

そんなチームに入った僕は、1年目なかなか滑走日数も滑れないまま(レース込みで20日ちょい)終了。一年目は正しく初心者でしたね。思えば1年生の時は周囲とのギャップに劣等感を感じなかなかに辛い思いをしました。今思い出そうとしてもあまり良い記憶はありません。このようなアルペン1年目の人が置かれる境遇について、僕の好きなスキー系YoutuberDavidさんが以前のアルペン語りで執筆してくださっているので是非ともそちらを参照ください(『週刊アルペン語り』第十五回 「あの人何しに来たんだろ?」 - 早稲田大学シュプリンゲンスキークラブ公式ブログ (hatenablog.jp))。
僕はこの記事を1年目に読みたかったです笑

 

 

話を戻しましょう。なぜ「脱未経験者」を目的としていたのか。それは一言で言えば仲間に認められたかったからです。

 

仲間に認められるためにはどうすればいいのか。それはみんなに追いつけばいいと思ったのです。単純。我ながらに脳筋。だけどシンプルでいいんです。追いつけば、「一」アルペンスキーヤーとして認めてもらえる!そう思ったのです。僕もあの輪に入りたいな、一緒に競いたい!そんな思いが根底にあったから2年目はオフトレから頑張れました。

 

大会当日、GSは割と上位(50~60位近く)を本気で狙っていたため、自分の出走順も考えると1本目から攻めようと思っていました。



公式にも煽られました笑

 

ですが攻めようとするあまり急斜の入りでミスり、あえなくDF。その時は悔いのない攻めだと思いそこまで後悔することはありませんでしたが、今思えばもっと慎重に行けば、とか思っちゃってます。

SLの1本目、僕は295番スタート。後ろには2人しかいません。バーンは何重にも段ぼれが刻まれ、立派なバンクが幾多にも形成されていました。こんな最後にもなって応援してくれたシュプの仲間、Bib1の人が滑ってから既に2時間半も経過してるのに応援してくれたことに感謝です。今シーズンGSは上手くなったと自負できるのですが、SLは一向に上手くなった気がしませんでした。実際タイムを見てもGSで2~3秒(それでも結構差はある)ついてる相手にSLでは10秒近くつけられてしまっていました。連日の練習でぜんぜんSLが上達しないという焦りと苛立ちが僕を苦しめていました。こうしたわけで、あまり自信がないまま迎えた本番でした。GSでときったり、チームの入賞を考えたり、今の自分の実力を加味したら120位に入ることがちょうど良い目標でありました。いざ出走。バンクは想像以上で、合わせることに精一杯でした。(実は東工の同期が中間から楽器吹いてくれてたの後で動画みて知って嬉しかった。) 滑りながらこれダメかも、って思いながらも、最後の緩斜面でやっとポール叩けて何とか完走。電光掲示板に注目、タイムは1分01秒なんとか。1分切りを目標にしてたので2本目通ってるのかなーって。ていうか思ったより速くてちょっと困惑。なんか諦めきれないタイムだなと。おそらくセイコーリンクを開いて速報を見ていた人もいたでしょう。ゴールエリアにいたうちの一人が「あと0.01秒!」って叫ぶのが聞こえてきた。その瞬間僕の思考は止まった。あ、通らなかったのかのと同時にあと0.01秒か。その後失格者の繰り上がりを待ち何度も速報掲示板を見に行ったが僕の順位が繰り上がることはなかった。

 

正直練習からしてSLは今年うまくならなかったから結果も振るわなかったのに納得してしまっていたので、その日は割と結果に対して特別強い感情を抱くことなくただただ受け入れるだけでした。

 

だから僕にとっての0.01秒って、色んなものが詰まっているんです。たったの0.01秒。ストップウォッチじゃ測れない。よく小学生の時にストップウォッチ早押しなんて遊びしてたけど0.01秒なんて出せなかった。なんだよ0.01秒って。こんなん測れて誰が得するんだよ。まさか10年後にこんな思いするなんて。こんな0.01秒の差で2本目滑れなかった。この壁、めちゃくちゃ低くて薄いのに、精神的には高く厚くはばかっているように見える。チームメイトは余裕で通過した2本目にすら僕はすすめなかった。悔しい、今こうしてタイピングしてるだけでも涙が止まらない。みんなと同じ土俵にすら立ててなかったんだな。

もっと先輩や同期に自分が速くなったぞってことを、結果として残したかった!1人のアルペンスキーヤーとしてスタート地点に立ちたかった。

 

本当はこんな敗者が書くようなブログ書きたくなかった。勝った時にあの時は悔しい思いしたっていう思い出程度で書きたかったけど、ここであえて残しておくことで今後のスキー人生にプラスになるなと思ったので今回書き記しました。

もう来年からはアルペン初心者ではないでしょう。3年目ですし。ただ「脱未経験者」は達成できなかったので来年も「未経験者」としてのレッテルを背負って行くことになります。

 

僕の目標はたけしチームの同期に勝つことです。今はかなりちぎられていますが学生のうちに追いつき追い越します。これは僕の学生スキー人生の最大の目標のひとつです。彼らはとても速く、現に経験者を次々と追い抜いています。滑っても滑っても追いつかない彼らの背中に来年こそは近づき追いつきたい!

 

 

ここまで熱く語りましたが結局のところ技術があってこそなので、まずは自分の滑りと向き合って、基礎しっかり固めて来年また挑戦していきたいと思います。来年はまず、お金の無駄遣いをしないことと、貯金することを頑張ります笑。そして、年内のうちにフリーを重点的に行い、基礎を固め、ポール練に入りたいと思います。SLが一刻も早く上手くなることを自分に期待します。

 

最後まで読んでくださった方に心から感謝です。ありがとうございました。



PS

東工大同期へ

いつもありがとう、これからもよろしく!

 

忠次さん、良子さんへ

今年はお世話になりました、来年もお世話になります!

 

シュプ卒業する先輩へ

野口さん、ゼロワンのラジオ毎日聞きましょう!

峰さん、志は高く、愛情は深く、友情は等しく精進して参ります!お酒は程々にお願いします!

さとしさん、週末は野沢で待ってますよ!

ひろきさん、外湯いきましょう!

たいきさん、これからも僕のこと忘れないでください!

 

ブログ読んでないと思うけど

ごろーさん、来年は世界一周旅行してる場合じゃないですよ!スキーしましょう!